【入湯記】【大分】湯平温泉 砂湯温泉

湯治場の歴史を語る、渓流沿いの共同湯

✔ 川沿いの情緒あふれる共同湯

✔ 歴史ある石畳も楽しんで

✔ 湯心地やさしい塩化物泉

✔ 近隣に公共駐車場あり

そぼ降る雨に濡れながら、石畳の坂道を上ることしばらく。渓流・花合野川(かごのがわ)に掛かる細い橋を超えると、一件の湯小屋がありました。

「砂湯温泉」(すなゆおんせん)は、鎌倉以来の歴史を誇る「湯平温泉」(ゆのひらおんせん)に5件ある共同浴場のひとつ。川面より低い位置に湯舟が設えられ、砂地から湧き出す湯をくべていたことからこの名が付いたとか、花合野川が増水するたびに風呂場へ土砂が流れ込むことからこの名が付いたなど、諸説さまざまありますが、本当のところはよく分かっていません。

江戸後期には、花合野川に沿って整備された石畳沿いに多くの湯治宿を構え、現在の町並みの原型が出来上がっていた湯平は、その昔から胃腸の病に効能ありと知られ、一部の階級の人のみが利用する湯治場でしたが、明治以降、人の往来が比較的自由になってからは、一般の湯治客も訪れる一大療養地として、特別な地位を築いていくことになったのです。

謳われる効能とその名声によって戦前に最盛期を迎えた湯平も、湯治文化の終焉という時代の流れには抗えず、近代的な開発の進む別府や、自然を活かした観光地として緩やかな発展を遂げる由布院に、温泉地としての地位を譲ることとなります。

殷賑を極めた湯治場としての記憶を、石畳に残すのみとなった湯平ですが、現在は通りに並ぶ家族経営の小さな宿と、順次改修されてきた5つの共同温泉が、別府や由布院の喧騒を避けて訪れる観光客を温かく迎える、静かな温泉地として再評価されているのです。

閑話休題。話を「砂湯」へ戻しましょう。左右で男女に別れた湯小屋は無人で管理されているため、風呂賃は設置された料金箱へ収めることになります。

立ち寄りは200円、宿泊者は100円。ちなみに、こちらは「九州温泉道」の対象施設です。泉人を目指す方は、備え付けのスタンプも忘れずに押しておきましょう。

浴場を覗くと、訪れたのが午後の早い時間だったためか、それとも生憎の雨模様だったためか、浴場には誰もいませんでした。ありがたく独泉で使わせて頂きます。

浴場は小さな湯船が備えられたシンプルな造り。浴槽奥の湯口からは、静かに新鮮なお湯が流れ込み、そう時間を掛けずに大きくない湯船を入れ替えているようでした。

かけ湯の後、湯船に身体を差し込むと、思いのほか素直なお湯がそっと包み込んでくれました。分析表に「ナトリウムー塩化物・硫酸塩泉」とあるこちらの湯は、少しぬるめでさらりとした湯心地。少しも重さを感じさせず、いつまでも浸かっていられそうな、そんな錯覚すらおぼえます。

湯船の縁に頭をかけ、ゆらゆら湯に漂ううち、ばたばたばた、と、湯小屋の外で雨音が強くなり始めました。

傘は車に置いてきました。

仕方ない。このまま小止みになるまで、優しいお湯としばらく語らうことにしましょう。

湯平温泉の宿をお探しなら
250社の予約サイトから料金を一括比較
お得な宿泊プランをご案内
www.trivago.jp

湯平温泉 砂湯温泉

住所:大分県由布市湯布院町湯平568-2

電話:0977-86-2367(湯平温泉観光案内所)

立寄料金:200円(各旅館に宿泊者は100円で利用可)

営業時間:6:00~21:30

泉質:ナトリウムー塩化物・硫酸塩泉

アメニティ:なし

駐車場:あり(公共駐車場)

※記事中の情報は公開日時点のものです

 

ふろブログは人気ブログランキングに参加中です。更新の励みになりますので、もし記事を気に入って頂けたら、バナーのクリックをお願いします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です