神代より暦重ねる名泉は、湯小屋ひろびろ鄙びの湯
✔ 別府・亀川の自家源泉共同浴場
✔ 駅から徒歩で15分。駐車場あり
✔ 別府八湯/九州のスタンプは入浴後
✔ 11時~14時は清掃のため入湯不可
✔ 毎月6の付く日が定休日
時は神代。第十二代人皇・景行天皇(けいこうてんのう)が、熊襲討伐のため九州へ巡幸された折、この地の湯をお使いになり「豆州の熱海、播州の有馬、讃州の道後に次ぐ温泉」と仰せになった。
そんな伝承の残る「四の湯温泉」(しのゆおんせん)は、別府八湯の「亀川温泉」に属し、日々多くの利用者で賑わう、市有区営の共同浴場です。
JR日豊本線の亀川駅から、旧国道を鉄輪方面に向け徒歩で15分と、歩きでは少し遠いお風呂ですが、道向かいには無料で使える5台分の駐車場が用意されていますので、お越しの際は車を使われると良いでしょう。
湯小屋は公園の奥にあり、温泉まつりの時期には満開の桜で彩られる四の湯温泉も、初夏の今頃は濃い緑の中に埋もれてしまいそうな佇まいです。
午前10時過ぎの四の湯は駐車場に車なく、公園も随分静かな様子。持ち場を離れ、いつものパイプ椅子でひなたぼっこの番台さんに料金をお渡しし、早速お風呂へ向かいましょう。
浴場は別府によく見られる半地下の造り。緩やかな階段を下りると、浴場はすぐそこですよ。
浴場はご覧の通りの開放的な空間。同時に十数人の利用にも耐えられる規模ですが、大きく開かれた窓から射す光と、湯小屋の全面を彩る薄青色は、四の湯をより広く、美しく感じさせてくれます。
階段から繋がる浴室一体の脱衣場には、大変な数の脱衣箱が設けられていました。これだけ十分なスペースがあれば、お隣さんを邪魔することなく脱ぎ着出来ますね。
男女の浴場は高い天井で繋がっており、それぞれの窓から入る陽を湯小屋全体に行き渡らせています。四の湯独特の解放感を演出する、素晴らしい造りです。
男女を隔てる湯小屋の壁には、大分縣警察部衛生課、と記載された鉱泉分析表が掲げられていました。
表には、昭和28年・国立別府病院(現・別府医療センター)の分析とあり、公衆浴場がまだ警察の預かりだった頃の名残りを今も留めているのです。
視線を床のタイルに移すと、幾何学模様の大変凝った造りに目を奪われます。
ところどころをモルタルで補修しているところを見ると、割れたり剥がれたりした部分は、もう同じように修復出来ないのでしょう。 昔の職人さんの手による素晴らしい仕事の跡です。
さて、湯小屋に見惚れる時間はここまでにして、お湯を頂くことにしましょう。
敷地の中に自家源泉を持つこちらの湯は、弱アルカリ性の単純泉。際立った個性を感じさせない穏やかな湯心地は、普段使いにはありがたいお風呂です。
午前の遅い時間にお邪魔したためか、湯舟には筆者の他に誰もいません。
肩まで浸かって、視線を湯おもてまで下げると、四の湯の湯舟は少し早い夏の訪れを感じさせる真っすぐな光を照り返し、いつも以上にきらきらと輝いていました。
神代の頃から湧き続け、人々を癒してきたであろう清らな湯。四の湯はこれからも絶えることなく、次代へ受け継がれていくことでしょう。
※四の湯温泉は「九州温泉道」そして「別府八湯温泉道」両方の参加施設です。こちらでは「スタンプを入浴後に押す」ルールになっていますので、泉人・温泉名人を目指す皆さまは、お帰りの際にスタンプをお忘れないようお願いします。
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訪問日:2018年5月3日
四の湯温泉(しのゆおんせん)
住所:別府市亀川四の湯町20-4
電話:なし
立寄料金:大人 100円 小人 50円
営業時間:
4〜9月 6:30~11:00 / 14:00~22:00
10〜3月 7:00~11:00 / 14:00~22:00
定休日:毎月6のつく日(6・16・26)
泉質:単純泉
アメニティ:なし
駐車場:あり(5台)
※記事中の情報は公開日時点のものです
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