【入湯記】【熊本】黒川温泉 山あいの宿 山みず木

©山あいの宿山みず木

静寂の深き翠の山あいに、心安らぐ渓流の湯

✔ 後藤哲也氏の哲学を露天で味わう

✔ 受付は敷地内の「茶房井野屋」で

✔ 湯巡り手形で入湯可能

✔ 現地へは車・タクシーなどを利用

後藤哲也(ごとうてつや)、という名を聞いてピンと来た方は流石の温泉通でありましょう。

山間の鄙びた温泉地であった「黒川温泉」(くろかわおんせん)を、当代きってのブランド温泉として再生したカリスマ経営者として知られ、本年1月に惜しまれつつ亡くなった氏が、自身の宿「旅館 新明館」(りょかん しんめいかん)に次いで作りあげたのが、今回ご紹介する「山あいの宿 山みず木」(やまあいのやど やまみずき)です。

黒川温泉の中心街から車で10分弱かかる「敢えて不便な」山奥を切り開き、氏自身が信念とする「自然と一体であること」をその根幹に据えた山みず木は、高いサービスを提供しながらも利用者に親しみやすい宿として、県内外に多くのリピーターを抱え、その名声を不動のものにしています。

そして、山みず木をはじめ、多くの旅館が軒を連ねる黒川温泉の名物といえば、「入湯手形」による露天風呂めぐりが上げられるでしょう。

地元産の杉材を使った木製の手形を、各旅館や観光案内所で購入すれば、エリア内の宿の露天風呂が3ヶ所まで利用出来るこちらの手形。元々は後藤氏の発案により、露天風呂を持たない宿の救済策として始まったものですが、現在は黒川の湯巡りを楽しむためのアクティビティとして人気を集めています。

今回の湯巡りも、この手形を購入することからスタートです。わくわくしますね。

観光案内所から細い山道を抜け、山みず木へ到着。訪れた日は平日の昼間、生憎の雨模様でしたが、それでも駐車場には多くの車が停まっていました。

駐車場には宿の方でしょうか。貸し出し用の傘を持って利用者を迎える男性がいらっしゃいます。有り難い心配りです。

駐車場から少し離れた場所にある、敷地内の茶房「井野屋」(いのや)が立ち寄り湯の受付です。入湯手形をお渡しし、施設のスタンプを押して頂いたら、いよいよお風呂へ向かいましょう。

山みず木には、露天と内湯が男女でそれぞれ2つあり、いずれも手形で入湯可能。今回はこちら、男性露天の「幽谷の湯」(ゆうこくのゆ)を使わせて頂くことにしました。(清掃により、露天・内湯どちらかが利用出来ない時間帯がありますのでご注意下さい)

※脱衣場以降は写真撮影禁止のため、公式ホームページより画像を引用

広々とした脱衣場で着物を脱ぎ、露天へ繋がる木戸をからり開けると、目の前には池の如き「湯溜まり」が広がっていました。

もちろん、ここが山みず木の露天風呂であることは十分承知していますが、左手に流れる渓流、そして露天に覆いかぶさるように広がる緑の木々と相まって、一瞬、この場所が人の手によって設えられたものでない様な錯覚に陥るのです。

露天に洗い場はなく、木製の手桶が一つあるのみ。周辺の環境に配慮し、石鹸類は内湯で使うように向けられているため、軽く身体を流しての入湯です。

雨が降っていたためか、それともこの日は少し肌寒かったためか、露天の温度はすこし温めです。泉質は硫黄の香りがほのかに漂う「ナトリウムー塩化物・硫酸塩泉」。塩類系のお湯ながら、比較的軽めの浴感で、いつまでもじっくりと浸かっていられる心地よさでした。

ぽつぽつと雨が波紋をつくって湯おもてを揺らし、その雨音を掻き消すように、ザァザァと沢を流れる水の音が辺りを覆い尽くします。

客でありながら、為す術もなく。幽谷の湯に身を揺蕩ううち、自身とお湯との境界線すら曖昧になっていきました。

山は山、水は水、木は木。「山みず木」の名の如く、可能な限り虚飾を廃し、人と自然が一体になることを体現したこの露天の景色から、後藤氏の描いた理想の癒やしの姿を垣間見る、そんな雨のひとときは、ただ水の音とともに流れていったのです。

黒川温泉・山あいの宿 山みず木の宿泊プランをお探しなら
250社の予約サイトから料金を一括比較
お得な宿泊プランをご案内
www.trivago.jp

訪問日:2018年5月8日

黒川温泉 山あいの宿 山みず木

住所:熊本県阿蘇郡南小国町満願寺6392-2

電話:0967-44-0336

立寄料金:500円

営業時間:8:30~21:00

定休日:不定休

泉質:ナトリウムー塩化物・硫酸塩泉

アメニティ:なし(内湯には備えあり)

駐車場:あり

※記事中の情報は公開日時点のものです

 

ふろブログは人気ブログランキングに参加中です。更新の励みになりますので、もし記事を気に入って頂けたら、バナーのクリックをお願いします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です