【入湯記】【鹿児島】霧島温泉 霧島湯之谷山荘

硫黄とラムネの出会いが生んだ、湯心地さわやか混合泉

✔ 国立公園の中にある温泉宿

✔ 硫黄とラムネの混合湯が楽しめる

✔ 15時~16時は清掃のため入湯不可

✔ 16:00以降は利用料金に変更あり

宮崎と鹿児島にまたがる霧島一帯の火山群と、桜島を中心とする錦江湾周辺を合わせた広大な地域をその対象とする「霧島錦江湾国立公園」(きりしまきんこうわんこくりつこうえん)は、1934年(昭和9年)に日本で最初に国立公園の指定を受けた歴史を持ち(旧霧島国立公園として指定)、初夏の頃には高地に自生するミヤマキリシマが辺り一面を紫紅色に染める自然豊かな公園地として、また、登山客をはじめ多くの人々を集める景勝地として知られています。

その霧島錦江湾国立公園を特徴づけているのは、韓国岳(からくにだけ)や、新燃岳(しんもえだけ)、霧島山など、現在も活発に活動を続ける火山が二十数基も存在する九州島最大の火山帯であることですが、その火山と切っても切れないのが、当ブログの本題である「温泉」です。

霧島地域だけでも、宮崎の「えびの・吉田・白鳥温泉郷」、宮崎・鹿児島の県境に位置する「湧水温泉郷」、鹿児島から天降川(あもりがわ)沿いの「新川渓谷温泉郷」など、数を上げれば暇がない程、多くの特徴ある温泉が点在する中、地域名を冠した「霧島温泉郷」は、その中心に存在する温泉場と言えるでしょう。

今回ご紹介する「霧島湯之谷山荘」(きりしまゆのたにさんそう)は、その霧島温泉郷の只中、国立公園内に隠れる様に存在する湯治宿として、そして「特別な特徴を持つ」という湯が九州の温泉通によく知られる風呂のひとつです。

宿のホームページには昭和15年の開業とありますが、その以前、江戸の頃からこの場所に自噴する湯を使っていたことから、通常は開発が許されない国立公園内に宿があるとのだとか。湯にも宿にも歴史あり、なんですね。

霧島温泉街の中心部へ向かう県道223号線から宿の案内看板に従って折れ、山道を少し進んだあたりに、鬱蒼と茂る雑木林に囲まれた山小屋風の母屋が見えました。どうやら、ここが湯之谷山荘のエントランスのようです。

訪れたのは午後の早い時間。チェックアウトの時間を過ぎ、宿のお手伝いさんが中抜けに入った時間であったためか、フロントは随分と静かな様子です。

すみません、と大きく呼ばわると、宿の奥からひとりの女性が、パタパタとスリッパを鳴らしながら現れました。立ち寄りの旨を告げ、お支払いを済ませた後、館内を通って案内された内湯へ向かいます。

霧島湯之谷山荘には、宿泊者のみ貸し切り可能な露天風呂と、立ち寄りでも利用可能な男女内湯がありますが、今回のお目当てはもちろん内湯。

こちらの内湯でしか味わえない「特別な特徴を持つお湯」とは、いったいどんなものなのでしょうか。

浴場に足を踏み入れた瞬間、あっ、と声が漏れ出たことをよく覚えています。

外壁から床面に至るまで、全面を木材で設えた湯殿に切り取られた3つの湯舟は、奥から順にその大きさを小さくしていき、そこには光を浴びて輝く、青磁のごとき湯がざんざんと湛えられていました。

一番大きな湯舟には、最も高い温度で46℃の硫黄泉、一番手前の小さな湯舟には、遊離炭酸を含む、源泉温度で30℃の炭酸水素塩泉が、双方を合わせてかなりの湯量でかけ流されながら、常に自らの浴槽を新しくしています。

そして、それぞれから溢れ出た湯が中央の湯舟で混じり合い、ラムネ硫黄泉とでも申しましょうか、独特の肌感覚を与えるぬる湯を形成していたのです。

ただ、一つ解せないことがあるとすれば、それぞれの浴槽が豊富な湯量に見合うだけの大きさにないこと。

ケロリン桶のサイズからおおよその想像が付くかと思いますが、最も大きい硫黄泉の湯舟で4人入れるかという程度、一番小さいラムネの湯舟に至っては一人でいっぱいになる大きさなのです。(故にラムネの湯には利用者ごとに5分交代のルールが設けられていました)

宿の主人の掲示に曰く、常に新鮮な状態の湯を、加水なくかけ流しで利用者に饗するために、あえて湯量と鮮度のバランスにこだわって浴槽の大きさを決めたとありました。

なるほど。主人は、湯守として自身が成すべきことを忠実に行い、使わせて頂く者は、その思慮深きところを汲みつつお湯をお借りする、ということなんですね。

平日の早い時間であったためか、当日は幸いにも独泉。筆者も、3つの湯舟を行ったり来たりしながら、それぞれのお湯を存分に楽しませて頂きました。

ふんわりと硫黄の香る青磁の湯舟も申し分ない心地でしたが、特筆すべきは小さなラムネの湯。ひんやりとした湯舟にしばらくじっとしていると、じわじわと細かい泡付きを感じることが出来、火山群の只中にある山奥の風呂で炭酸の湯を楽しめたことに、新鮮な驚きを感じずにはいられませんでした。

霧島温泉郷には、この湯を含め、放射能泉を除く、ほとんどの泉質が揃っていると言われています。悠久の時をかけ火山が作り上げてきた霧島の歴史と、その恩恵として湧き出す色とりどりの湯。

皆さまも、霧島へお越しの際には、是非、世にも貴重な二色の湯を楽しまれてみて下さい。湯舟の美しさを楽しみたい方は、晴れた日の早い時間がおすすめです。

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霧島温泉 霧島湯之谷山荘(きりしまおんせん きりしまゆのたにさんそう)

住所:鹿児島県霧島市牧園町高千穂4970

電話:0995-78-2852

 

立寄料金:

9:00~15:00 大人 500円 小人 250円

16:00~18:00 大人 700円 小人 350円

 

営業時間:9:00~18:00

※15:00~16:00清掃のため入浴不可

 

定休日:不定休

泉質:単純硫黄泉

アメニティ:なし

駐車場:あり

※記事中の情報は公開日時点のものです

 

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