【入湯記】【別府】旅館みどり荘

梅雨晴れに、こころほどける硫黄の湯

✔ 別府・明礬の隠れ家的家族湯

✔ 700円で貸し切り露天が楽しめる

✔ 硫化水素型硫黄泉でお肌ピカピカに

昔から、湯の街別府の土産物として観光客に親しまれてきた、元祖入浴剤「湯の花」。

その歴史は、明治の初め頃、染物を鮮やかに発色させる媒染剤(ばいせんざい)として、または収斂剤(しゅうれんざい)として止血や下痢止めなどに利用されてきた化学薬品「明礬」(ミョウバン)製造の終焉とともに始まりました。

薬品としてのミョウバンの話はまた別の機会に譲るとして、その半成品を薬湯用として転用した「湯の花」と、その薬効の源となる明礬の湯は、現在も別府の名物として多くの人に愛されています。

さて、今回はその明礬の湯のお話。梅雨の晴れ間にどうしても楽しみたいお風呂があり、こちら「旅館みどり荘」を訪れました。

九州横断道路から国道500号線を湯山方面へ上る途中、元祖地獄蒸しプリンで有名な「岡本屋売店」から道路を挟んだはす向かいにあるのがこちらのお宿。道に面した屋根付きの駐車場へ車を納め、玄関すぐの受付に声を掛けます。

奥で掃除の最中だった女将さんに、立ち寄りで露天を借りたい旨を告げると「うちは景色が楽しめませんが大丈夫ですか?」とのお返事が。

これは、道沿いに少し上った場所にある「みょうばん湯の里」が、眺望自慢の露天を売りにすることを意識しての話なのですが、もちろんそこは重々承知の上。700円を手渡しし、別府八湯温泉道のスタンプを忘れずに押したら、早速露天へ向かいましょう。

ちなみにこちらの露天は、いわゆる大浴場でなく、いくつかの小さな露天を貸し切りで提供するスタイル。しかも一人700円を支払えば、1時間の利用が可能という設定になっています。

小さな宿ならではの提供方法ではありますが、おひとり様でも気軽に利用できるのは有り難いですよね。

山側へ増築を繰り返したであろう館内。その緩やかな階段を登りきったところに、緑に白で染め抜かれた「露天風呂」の暖簾が見えました。いよいよ、この先がお目当ての露天です。

露天入口あたりの天井近くを見上げると、50年程前の温泉分析表が掲げられていました。分析者名が「九州大学温泉治療学研究所」(現九州大学病院別府病院・別府では現在も温研・おんけんと呼ばれる)となっているあたりに、こちらの宿の歴史を感じます。

※各露天には平成21年の分析表も掲示されていました。近々の状態はそちらを参考にされるとよいでしょう。

暖簾をくぐり、通路に沿って奥の建屋へ向かうと、そこには3つの露天風呂。それぞれに春の草花を冠した名前が用意されていました。今回は、一番奥の「菫の湯」(すみれのゆ)をお借りします。

脱衣カゴに着物を預け、露天へ繋がるサッシを開くと、一辺1.5m程の湯船を備えたコンパクトな露天が姿を現します。竹垣風の囲いでプライベートが確保された空間は、とても手入れが行き届いており、景色の話はさておき、1・2名での利用を前提に考えると十分に寛げそう。

そして、この満々と湯船に湛えられた翡翠色(ひすいいろ)の美しさはどうでしょう。湯の花を底面に多く蓄えることから、人の目にうっすらと翠に映える露天が楽しめるのも、鮮度の高いみどり荘のお風呂ならではの良さではないでしょうか。(普段から利用者がそれほど多くないことも幸いしているかもしれません)

湯量も豊富。脱衣場の分析表に泉温43.8℃と記載がありますが、実際はかなり高めの源泉がかけ流されながら、コンパクトな浴槽を常に新しくしていました。

その分、浴槽の湯温は高めで保たれており、基本は備えのゴムホースから加水しつつ、好みの温度を選ぶという使い方になります。小さなお子さんをお連れの場合は、お湯の温度にご注意下さい。

肝心の泉質は、pH2.7の硫化水素型・単純硫黄泉。皮膚の軟化・溶解作用による皮膚症状の改善、そして殺菌の効果が期待でき、肌の諸症状にお悩みの方には肌質改善に繋がる良いお風呂であると言えますが、逆に肌の弱い方は長時間の入浴が禁忌である場合もありますので、程々の時間にとどめて楽しむことをお薦めします。

いよいよ、入浴です。さっと身体を流し、湯温に注意しながら翡翠の湯船へ足を滑り込ませると、底に蓄えられた湯の花がふわりと舞い上がり、その景色を一変させました。

その様は、さながら滑らかな白磁のよう。見た目に美しいこの湯を、ゆっくりと独り占めできるのはこの上ない贅沢です。明礬の高台から見る別府の絶景を犠牲にしても、十分おつりの来る素晴らしい風景と言えるでしょう。

少し硬めの湯心地も、酸性泉ならではの楽しみです。少し入っては上がり、身体を休ませた後また入る、を繰り返し、お湯の感触をしっかり味わうことが出来ました。

梅雨晴れの日差しを浴び、美しく輝く翡翠の湯船とひとり語らうひととき。

明礬製造から続く湯の花の歴史、そして全ての根源である明礬の湯に想いを馳せつつ、湯の街別府に住まうこと、お湯を頂けることの有り難さを、改めて認識させられる時間となりました。

素晴らしい湯に再訪を約束しつつ、また次のお風呂に向かう日々は続きます。

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訪問日:2018年6月12日

旅館みどり荘(りょかんみどりそう)

住所:大分県別府市明礬7組

電話:0977-66-2012

立寄料金:貸切内湯 500円、貸切露天 700円

営業時間:

平日 / 8:30~(受付 20:00 まで)

定休日:不定休

泉質:単純硫黄泉(硫化水素型)

アメニティ:あり

駐車場:10台

※記事中の情報は公開日時点のものです

 

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