【入湯記】【別府】天満温泉

まちあるきの達人を唸らせた、清らなお湯の別府ジモ泉

✔ タモリさんも訪れた別府ジモ泉

✔ クリアな湯が嬉しい塩化物泉

✔ 10時半~14時は清掃のため入湯不可

✔ 駐車場なし。公共交通機関を利用

泉都の鉄路の玄関口、JR日豊本線・別府駅から徒歩で15分程。市内を横断する山側の動脈として現在も拡幅工事が進む「幸通り」から、花屋の角を山側へ少し上った住宅地の一角に、赤い櫓を備えた一軒の共同浴場があります。

今回ご紹介する「天満温泉」(てんまんおんせん)は、昭和27年(1952年)に開かれた別府では比較的新しい共同浴場で、開湯当初は堀田引き湯であったものを後に自家源泉に改め、幾度かの建て替えを経て現在に至っています。

この天満温泉が新しい風呂であることを、筆者も随分意外に思っていましたが、先日機会を得て参加した「別府温泉地球博物館」の総会後に開かれた、由佐悠紀(ゆさゆうき、同博物館館長・京都大学名誉教授)先生の講演によると、天満や南石垣などの「山の手地域」で温泉開発が始まったのは、戦後しばらくしてからというお話でした。

実業家や成功者による別荘での利用を前提とした温泉開発という、掘削に一定の資本が必要とされた戦前までの状況から、戦争を経て住民中心の地域づくりにシフトしたことが、山の手地域に共同浴場が広まった理由だったのかもしれません。

ところで、この建物、皆さんどこかでご覧になった記憶はありませんか?

そう、NHKの人気番組「ブラタモリ」の「#62 別府温泉」回で、前述の由佐先生が案内役として登場し、まちあるきの達人・タモリさんを連れてきた共同浴場こそ、この「天満温泉」だったのです。

余談ですが、ここ天満温泉は、由佐先生が定年退官までお勤めになった「京都大学大学院理学研究科附属地球熱学研究施設」のフィールドワークに1960年代から協力しており、数十年もの間、貴重なデータを提供し続けていることも、番組に登場した理由ではないかと推測されます。

この別府回では、100円で温泉が利用出来ることに、いたく感動されていたタモリさんと近江アナ。確かに、県外の方から見れば、格安の料金でかけ流しの湯が毎日楽しめるなんて、なんとも贅沢なことですよね。

さて、話をお風呂に戻しましょう。

天満を訪れたのは、お昼の2時を少し過ぎた頃。番台前の小窓には、木札(組合員証)がずらりと並んでおり、午後の再開を待ちきれなかった常連さんで、男湯は既にいっぱいの状態でした。

当日は月に一度の定休日を翌日に控え、早く風呂に入っておきたい、という方もいらしたかもしれませんが、いずれにしても、相変わらず風呂場を写真におさめるには難しい状況。人気のお風呂をブログでご紹介するのは、意外と骨の折れることなのです。

管理人さんに100円を手渡し、脱衣場一体の浴場へ向かいます。

ここ天満温泉も、階上に公民館を備える別府スタイルの共同浴場。所謂ジモ泉のため、鍵の掛かるロッカーはなく、貴重品の管理には気を使うところですが、湯船から脱衣箱が見渡せるのは、やはり安心感がありますね。

光さす浴場では、常連の皆さんが思い思いに午後一番のお湯を楽しんでいらっしゃいました。

まず、こんにちはのご挨拶から。普段見かけない顔の筆者にも、皆さん笑顔で返して下さるあたりは、天満の居心地の良さと言うべきでしょう。

ご迷惑にならない様、場所を選んでかけ湯の後、静かに身体を洗い流すうち、常連さんがひとり、また一人と風呂から上がっていきました。熱い湯にざぶんと浸かって長湯はしない、「烏の行水」が別府ん人(べっぷんし、と読ませる)の風呂の使い方とは言え、皆さん随分早いお帰りです。

最後の一人が「今日は外がぬきぃ(暑い)けん、風呂はこんくらい(ぬるめ)が丁度ええなぁ。兄ちゃん、ゆっくりして行きよ」と言い残すと、風呂場には筆者一人が残されました。

慌てて身体を拭き上げ、スマホを手に数枚を撮影する僅かのうちに、脱衣場の向こうからスリッパを引っ掛ける音が近づいてきました。間一髪、写真もなんとか間に合いました。これで心置きなく、お風呂が楽しめるというものです(苦笑)

一息ついて、また湯舟へ。

改めて浴場を見回すと、良く手入れされた清潔な洗い場と、大きな窓から差し込む光を受け、きらきらと輝く足下のタイルが目に美しく、湯はあくまで透明で、筆者をただ優しく包み込んでくれました。

泉質は「ナトリウムー塩化物・炭酸水素塩・炭酸塩泉」。その昔「天満地獄」とも呼ばれたこちらの湯、先日の由佐先生の講演会では、数十年を経て少しづつその温度を下げつつあり(正確には、1964年の掘削当初は99℃だったものが、2013年の分析表には95.5℃と記載あり。ふろブログ調べ)、泉質も少しづつ炭酸水素塩の濃度が上がっていることから、比較的浅い場所を流れる低温度の熱水が地下深く浸透し始めた結果、高温の源泉と交じり合い、温度を下げているというお話でした。

市街地に比較的高温の泉源を持つ天満温泉でさえ、湯温低下を免れないという現状から、別府八湯の他泉源における湯温の低下は避けがたくあります。

湯舟のふちに頭を掛け、大地が生み出す悠久の恵みに思いを馳せることしばし。

天満の湯あみは、改めて温泉資源保護の重要さを考えさせられる、そんな貴重な時間ともなりました。

別府温泉の宿をお探しなら
250社の予約サイトから料金を一括比較
お得な宿泊プランをご案内
www.trivago.jp

訪問日:2018年6月24日

天満温泉(てんまんおんせん)

住所:別府市天満町11−10

電話:0977-22-5064

立寄料金:100円

営業時間:6:30~10:30 / 14:00~22:30

定休日:毎月25日

泉質:ナトリウムー塩化物・炭酸水素塩・炭酸塩泉

アメニティ:なし

駐車場:なし

※記事中の情報は公開日時点のものです

 

ふろブログは人気ブログランキングに参加中です。更新の励みになりますので、もし記事を気に入って頂けたら、バナーのクリックをお願いします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です