【入湯記】【大分】長湯温泉 千寿温泉

長湯で貴重な百円湯は、浴感爽やか土類泉

✔ 白い湯小屋が目を引く共同湯

✔ 本格的な土類泉が100円で楽しめる

✔ 源泉かけ流しの湯は温めの浴感

✔ マイカー派には有難い広々駐車場

前回のお話 【入湯記】【大分】長湯温泉 郷の湯旅館

郷の湯を後にした筆者が次に訪れたのは、宿から車で1分も掛からない距離にある「千寿温泉」(せんじゅおんせん)。

長湯中心街と濃厚炭酸泉で知られる「七里田温泉」(しちりだおんせん)を繋ぐ旧豊後街道沿いに位置し、十数台は停められる広い駐車場と白い湯小屋、そして一際目を引く看板が目印の共同浴場です。

その看板に書かれているのは「源泉かけ流し」、そして「料金100円」の文字。運営上の負担など、諸般の事情から「しず香温泉」が値上げして以降、長湯の中心近くで使える100円のお風呂は大変貴重になりました。頑なに以前からの料金を守る千寿温泉のご苦労には、本当に頭の下がる思いです。

訪れたのは日曜の午後、まだ早い時間だったためか、駐車場に車の姿はなく、湯小屋隣の番台にも人影は見えません。

100円を番台備えの料金箱に落とし入れ、写真を何枚か撮らせて頂くうち、筆者に気づいてくれたのか、湯守りの奥さんがご自宅からわざわざ出てきてくれました。

奥さんに軽くご挨拶。にっこり笑ってどうぞ、と迎えてくれるのはいつもの通りです。奥さんの笑顔に癒やされたら、早速お風呂へ向かいましょう。

男湯入り口のサッシをからりと開けると、脱衣箱に他の着物はなく、この時間はやはり独泉のよう。薄暗い脱衣場の奥からは、静かに流れる湯の音だけが聞こえます。

着衣を解き、浴場へ足を踏み入れると、そこにはいつもと変わらぬ風景が広がっていました。

風呂場には、シャワーやカランなど、一般の風呂にある設備は全く見えず、清掃に使うためと思しき水道の蛇口が一つあるのみ。もちろんアメニティの備えもありません。

その、虚飾とは全く無縁の簡素な浴場は、経年による析出物の堆積により、湯船の縁だけに留まらず、至るところを赤茶に染めながら、でこぼこと段差を作っていました。このあたり、いかにも長湯の共同浴場といった風情です。

縦に長い浴場の内壁に沿うよう設えられた湯船には、窓の外から聞こえるコンプレッサーの音に合わせて静々と薄濁りの湯が掛け流され、無人の浴場を常に濡らしていました。

掲示の分析書(平成28年)によると、泉質は「マグネシウム・ナトリウムー炭酸水素塩泉」。成分総計4,913mgと相応の濃さを誇る湯が、地下200mの源泉から掛け流される湯は、泉温43.9℃とこの時期の入浴に適した温度で供されているようです。

さっと流して、湯船へゆっくり身体を沈ませると、千寿の湯は、少し温めの湯心地で筆者を迎え入れてくれました。湯口から少し口に含んでみると、舌の奥に弱い炭酸味を感じるあたりも、長湯の湯らしいところです。

pH7.1と中性に振った湯は、特別な肌ざわりを主張しないばかりか、分析表に在る泉質の強さを殊更に感じさせることもせず、ただただ涼やかな浴感を与えてくれます。

うっかり長湯をすると、その成分の強さから気づかぬうちに湯あたりするかも…。温めの湯に安心することなく、時々湯船を離れて楽しむくらいが丁度良い、そんな印象を得る湯でした。

郷の湯と千寿。それぞれ目と鼻の距離にあり、主な成分を同じくしながら、泉温とpHの異なる二つの湯は、やはり採掘の深度に依存するのかもしれない…。そんなことを考えながら、各々の湯の違いを楽しむのも、また温泉好きならではの醍醐味かもしれません。

そんな楽しみも、この場所で長く100円を守り続ける湯守のご苦労あってこそ。千寿の恵みに感謝しつつ、流れる湯と語らう日曜の午後は、ほんの少しだけ時計よりゆっくりと流れていくのです。

長湯温泉・竹田の宿をお探しなら
250社の予約サイトから料金を一括比較
お得な宿泊プランをご案内
www.trivago.jp

訪問日:2018年7月1日

長湯温泉 千寿温泉(ながゆおんせん せんじゅおんせん)

住所:大分県竹田市直入町大字長湯

電話:0974-75-3085

立寄料金:100円

営業時間:8:00~21:00(4/1~11/30)/ 8:30~21:00(12/31~3/31)

定休日:不定休

泉質:ナトリウム・マグネシウム・カルシウムー炭酸水素塩泉

アメニティ:なし

駐車場:あり

※記事中の情報は公開日時点のものです

 

ふろブログは人気ブログランキングに参加中です。更新の励みになりますので、もし記事を気に入って頂けたら、バナーのクリックをお願いします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です