【入湯記】【別府】鬼石の湯

©鬼石の湯

地獄引湯の塩の湯は、湯心地和らな極楽湯

✔ 「鬼石坊主地獄」内にある立寄り湯

✔ 上下階に露天を備える美しい湯小屋

✔ 泉質は、お肌しっとり塩化物泉

✔ 各種の提示で大浴場割引特典あり

湯の街・別府を代表する観光名所といえば、皆さんがまず思いつくのは「べっぷ地獄めぐり」ではないでしょうか。

別府各地に所在する8つの温泉郷「別府八湯」(べっぷはっとう)のうち、「鉄輪」(かんなわ)から「柴石」(しばせき)のエリアにかけて広がる、「地獄=温泉」をテーマとした7つの観光施設(注1)の総称を「べっぷ地獄めぐり」と呼び、豪快に間欠泉を吹き上げる「竜巻地獄」(たつまきじごく)や、酸化した熱泥が池底を真っ赤に染める「血の池地獄」(ちのいけじごく)、一面に広がるコバルトブルーが目に美しい「海地獄」(うみじごく)など、それぞれが独特の特徴を備えた「地獄」で、国の内外から訪れる大勢の観光客を楽しませています。

その「べっぷ地獄めぐり」の中に、唯一足湯以外の温泉を備えた施設があります。それが今回ご紹介する「鬼石の湯」(おにいしのゆ)です。

海地獄に隣接する「鬼石坊主地獄」(おにいしぼうずじごく)の敷地内に建ち、坊主地獄への入場とは別に一般へ開放する入浴施設ですが、今回は夏の夜にどうしても楽しみたい湯舟があり、仕事上がりに訪問したのです。

鬼石の湯を訪ねたのは、すっかり日も陰った午後7時半過ぎのこと。

地獄の入り口に隣接する温泉の案内板から湯小屋まで、少しの距離を木々に覆われた小径を歩いて向かうのですが、この日は夏らしく飾られた色とりどりの灯籠が湯小屋までの案内役を務めていました。

この灯籠、普段は路傍に埋め込まれた照明そのままの姿ですが、この季節に限りこの姿におめかしします。来る者の目を楽しませようとする施設の細やかな心遣い、なんだか嬉しくなりますね。

小径を進んだその先に見える一際明るい光が、鬼石の湯のエントランス。玄関は年配の方にも利用しやすいよう、段差が除かれ、バリアフリー化されています。ついそのまま行き過ぎてしまいそうになりますが、これより先のフロントは土足厳禁、下足はマットの上で脱ぎ、右手の靴箱へ収めましょう。

当日は日曜の夜ということもあり、フロントは大勢の入浴客で賑わっていました。ちなみに、こちらのお風呂は、券売機でお好みの風呂やタオル等のアメニティのチケットを購入し、フロントにお渡しする仕組みです。受付の前に準備しておきましょう。

なお、大浴場に限定して「JAF会員証」もしくは「公式ホームページの割引券」(クリックで割引券のページへリンクします)を提示することで、通常「620円」の入浴料が「500円」に割引される特典がありますので、それぞれ利用の前にお持ちになることをお薦めします。(割引券は印刷してお持ち下さい)

※以降は写真撮影禁止のため、公式ホームページより画像を引用

フロントでJAFの会員証を提示し、500円の入浴チケットをお渡ししたら、左手の暖簾から男湯へ向かいましょう。

全体が木目で統一された脱衣場は清潔に保たれ、容量大きめの鍵付きロッカーが無料で提供されていました。荷物の多い旅行者や、小さいお子さんの多い家族連れに配慮したものと想像しますが、このあたりも鬼石の湯が高い評価を受ける理由なのではないでしょうか。

また、女性側の脱衣場には、間仕切りされた授乳室も用意されていることから、赤ちゃん連れの入浴客にも優しい施設であることがわかります。大事ですよね、こういうの。

脱衣場でささと着衣を解き、まず内湯へ。脱衣場と同様に木の温かみを活かした浴場は、高い天井と滑り止めのシボ加工が施された石造りの床が特徴。木目と黒のコントラストが、シックで開放的な雰囲気を演出しています。

女湯との壁沿いに備わるシャワーカランは台数も十分、仕事の汗を備え付けのアメニティーで流したら、しっかりかけ湯して檜造りの湯船へ身体を滑り込ませます。

滔々と湯船に注がれる少しぬるめの湯は、施設に掲示の「温泉カルテ」(クリックでpdf表示します)によると、100℃近い源泉を熱交換や加水(流量の15%程度)で適温まで下げ、可能な限り湯の個性を損なわない様、配慮した形でかけ流されているとのこと。

浴感は、湯温が比較的低いこともあってか(この日は体感で40℃程度でした)、総量で4,300mgを超える「ナトリウムー塩化物泉」独特の重さをそれほど感じさせず、pH3.8と弱酸性を示す少し硬めの湯心地を肌に残すのみ。しっとりと塩のベールで包み込む塩化物泉の柔らかさと、肌に近しい弱酸性の優しさ、湯舟でふたつの柔和な個性と出会うことが出来ました。

©鬼石の湯

内湯を一通り堪能したら、いよいよ屋根付きの半露天へ向かいます。

内湯の窓に沿うよう設えられた檜づくりの半露天(女性は岩風呂)からは、手入れの行き届いた庭を眺めることが出来、季節ごとに異なる風景を楽しむことが出来るのですが、鬼石の露天の魅力はそこに留まらず、さらに「上」へと繋がっているのです。

©鬼石の湯

露天の出入口そばの階段を上ると、階上には「展望露天」と名付けられたもう一つの半露天が用意されており、もう一段高い場所から、寛ぎのお湯と景色を味わうことが出来るのです。もちろん、上下階とも源泉かけ流し。贅沢ですねぇ…。

©鬼石の湯

二階の露天に身体を預ける頃には、辺りはすっかり暗くなり、賑やかだった蝉の声も遠くなっていました。

暗がりにぼんやりと浮かび上がる鬼石の庭を眺めながら、ぬるめの湯に浸ることしばし。暑さ厳しき折の緩やかな湯あみは、なんとも贅沢な夏の夜の癒しとなりました。

鉄輪に広がる地獄を治め、人々に癒しの施湯を広めた一遍上人。時代を経て、あの頃の地獄は人々を楽しませる極楽へと姿を変えましたが、この「鬼石の湯」もまた、上人の遺徳を継ぐ癒しのお風呂、極楽のひとつなのかもしれません。

※注1 「別府地獄組合」加入の施設のみ数えています

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訪問日:2018年7月15日

鬼石の湯(おにいしのゆ)

住所:別府市鉄輪559-1

電話:0977-27-6656

 

立寄料金

大浴場:大人 620円 / 小人 300円 / 幼児 200円

※大浴場は「HPの割引チケット」もしくは「JAF会員証」提示で500円に割引あり

家族風呂:2,000円 (60分 / 4名迄)

 

営業時間:10:00~22:00

定休日:第一火曜日(祝日の場合は翌日・年末年始 / GWは営業)

泉質:ナトリウムー塩化物泉

アメニティ:あり

駐車場:あり

※記事中の情報は公開日時点のものです

 

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